ブルドッグの鼻が潰れている本当の理由とは?
ベチャッととした鼻に愛嬌があってかわいいブルドッグ。
しかい、なぜにあんなに鼻が潰れているのか?
おそらく、ほとんどの人が間違った知識を持っているでしょう。
ブルドッグの鼻が潰れている正しい理由
一般的には次のように言われていますが、ちょっと違います。
「牛に噛み付いた際に、鼻が塞がって呼吸できなくなるのを防ぐために、
鼻がつぶれたような形に改良された」
実際にそう鼻は長い品種ではなかったですが、
今の形状になったのは、「ドッグショーへの参加」や「ペット」で飼うように改良されたものです。
元々はこのような犬でした。
見たところ、強そうな普通の犬です。
鼻を低くなるように改良されていましたが、今ほどではありません。
現在の異常なまでの潰れ方は、「牛と戦うため」ではないことがわかります。
<現在>
※wikipedia
当時とは別の品種と言ってもいいレベルです。
そもそもブルドッグとは何か?
12世紀頃からイギリスでは犬と牛が戦う見世物「ブル・ベイティング(bull baiting)」が流行りました。
鎖でつながれた雄牛と数匹の犬を戦わせるという「遊び」です。「牛いじめ」とも呼ばれています。
普通に牛を殺して、そのまま食べたそうな。
当初に活躍した犬は「マスティフ」という品種だったようです。
体重は80キロにもなる、大型犬です。
<マスティフ>
※wikipedia
このマスティフがブルドッグの原型です。
ブル・ベイティングで犬が活躍すると、多額の賞金を貰えたようで、
必死になって「牛に勝つ犬」を作り出しました。
マスティフを改良して牛により勝つ犬に仕上げたのがブルドッグです。
マスティフから変わった点としては下記。
・前半身が大きく、後半身が小さい (より牛にくらいつける)
・鼻が潰れており、噛み付きながらの呼吸を楽にした。
・口がアンダーショット(下あごの方が長い)で、より噛みやすく。
・足が短く重心が低いため、牛に倒されず、攻撃も交わしやすい。
具体的にどういった品種を組合わせたのかは不明ですが、
人間の欲のために必死に改良をした結果です。
なぜブルドッグは現在のような姿になったのか?
1835年に残酷なスポーツは禁止となり、
ブル・ベイティング(牛いじめ)も禁止になりました。
そのため、この牛と戦うための存在価値であるブルドッグは必要が無くなり、
急激にブルドッグは衰退。
ただの番犬や、家畜を殺すために活躍したそうです。
それが次第にただのペットとして可愛がられるようになったものです。
しかし、ペットとしては大きすぎるのと、凶暴過ぎるということで、
主に次のような改良が加えられました。
・性格を温厚に
・身体を小さく
・顔の特徴をもっと出す
そうして現在のようにとても小さく、可愛らしいブルドッグになりました。
元のブルドッグは存在していませんが、
「オールド・イングリッシュ・ブルドッグ」として当時の姿をやや復活させたブルドッグが作られています。
<オールディ・イングリッシュ・ブルドッグス>
※wikipedia
まだまだ小さいですが、なんとなくマスティフに似ています。
下記に説明している「健康上の問題」をなんとかすべく、現在も努力されています。
現在のブルドッグの問題点
あまりにも顔に特徴を持たせた異常な改良を続けた結果、
次のような問題点があります。
・自力で出産できず、帝王切開になる。
・鼻が異常に潰れておりしわが多いため、体温調節が苦手で、高温に弱い。
・下あごが出すぎて噛むことが苦手。
・しわによる皮膚病。
・呼吸困難、よだれ過多。
特に、出産できないのは致命的ともいえます。
人間の手がないと子供すら作れない・・・
可愛い姿ですが、本当にそれで良かったのか?と、考えなくてはなりません。
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以上、ブルドッグの鼻が潰れている本当の理由とは?でした。
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この記事の作成日:2015年01月29日
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