「何卒宜しくお願いいたします。」
とりあえず付けておけ!と言わんばかりな便利な言葉です。
実は漢字だけみると全く意味がわからない、不思議な言葉。
<何卒の読み方>
これは、
「なにとぞ」
と読みます。
<何卒の意味>
これは、
「相手に対して強く願う気持ちを表す言葉」
です。
「何卒お願い」というのは「(強い口調で)お願い!」という感じです。
「どうか!」や「なんとか!」などの意味とは同じですが、
「何卒」は改まった場面で使う言葉です。
しかし、なぜこの意味が「何卒」なのか?
「何卒」の語源・由来を知り、理解を深めよう。
どちらも訓読みなので漢字自体の意味はあまり関係ないですが、
とりあえず、この熟語を作った人の想いを知るために、漢字の意味から入ります。
「何」は意味の解説が難しい言葉です。
本来は「物をかつぐ(荷う)」という意味の漢字。
が、その意味ではほぼ使われず、疑問を表すの発音と似ていたので、
疑問全般を表す意味となったようです。
「卒」は「終える・にわかに(急に起こるさま)・下級の兵士」などの意味の漢字です。
本来は「死者に着せる衣」を意味します。
そのデザインの衣を「下級の兵士」も着ていたので、その意味にもなったようです。
「にわかに」の意味は「死者に急に着せる」ということから、その意味になったようですが、
いずれも諸説ありハッキリとは言えません。
「にわかに=急に=強い」という意味から、強調を表す意味になります。
二つを合わせると、「急で何」となり、
「急でびっくりさせる=急なお願い=強いお願い」という意味になります。
ただ、当て字なので、このあたりは適当に。
やはり、当て字ではなく「なにとぞ」という日本語の意味を知る必要があります。
・・・普通に辞書に意味が書かれていましたので引用します。
>[副]《代名詞「なに」+格助詞「と」+係助詞「ぞ」から》
(大辞泉より引用)
「ぞ」は前の言葉を強調する意味。
「と」は「先生と呼ぶ」などに使われる引用を意味する「と」です。
よって、「なにと」を「ぞ」で強調するものになります。
「なに」は代名詞なので、何らかの対象物があるはずです。
例えば「なに」を「田中」という名詞の代名詞とします。
こうすると、「田中とぞ」となり、「ぞ」は意味がないので、「田中と」という意味になります。
「と」は引用のため「田中というものを」という意味になります。
したがって、
「田中というものをどうか」
という意味になります。
代名詞を「お願い事項」にすると、
「お願いした事柄についてどうか」
という意味になります。
自分なりの解釈なので細かいところが間違っているかもしれませんが、
おおよそこの意味で合っているはずです。
何卒の語源も由来も知って、自信をもって使っていこう。
<何卒の使い方>
・大変手数をおかけし申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。
・明日は何卒ご出席願います。
・何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。
以上、何卒の意味と使い方でした。
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