招待状や挨拶状で、「早春の候…」と始まる文章を良く目にしませんか?
よくある定型文だからとざっと流し読みしてしまうことも多いですが、
こういうのを無視せず、辞書を引く癖を付けたい。
この漢字、意味を知ると楽しいです。
<候の読み方>
これは、
「コウ」
と読みます。
よって冒頭の例文は「そうしゅんのこう」と読みます。
天候の「コウ」などに使われるように、天気や季節に関して使われる漢字です。
訓読みは「そうろう」と読みます。
この読みで一番有名なのは、「居候(いそうろう)」でしょう。
「他人の家に世話になり食べさせてもらうこと。また、その人」という意味です。
もう一つの訓読みに「さぶらう」がありますが、
これは古語の読み方なので、現代ではほぼ読まない。
<候の意味>
これは、
「様子をうかがう」
という意味の漢字で、
その意味から、
「待つ」
「変化が現れる様子(きざし)」
という意味になりました。
元々は「斥候」という「敵の状況や地形などを探る兵士」のことを言いました。
「敵の様子をうかがう」というのが本来の意味。
その意味から、「じっと待つ(観察する)」という意味や、
「変化のきざしを見る」という意味にもなりました。
「待つ」は注目していることにもなるので、「候補」という熟語に。
「きざし」については「兆候」と書くことが多いです。
「天候」「気候」については、「天気の様子」「空気の様子」という意味。
うかがい、きざしを感じる。その結果「気候は良いですね」と。
本来の意味から考えると理解しやすいです。
で、「早春の候」ですが、
これは「早春のきざしを感じる」という意味です。
「早春に移ってきた頃ですね」という感じの挨拶言葉として使われます。
これで「候」は完璧!
<候の使い方>
・霜冷の候、いかがお過ごしでしょうか。
・早春の候、ますますご健勝のことと存じます。
・この天候は良い兆候だ。
以上、候の意味と読み方とはでした。
次:糧の意味と読み方
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