モラトリアムという言葉は日本では1980年代に、一冊の本から流行語になった言葉でした。
この本です モラトリアム人間の時代改版 [ 小此木啓吾 ]
当時の若者はもう40代以上になので、今はまさにそんな時代かなと感じます。
<モラトリアムの意味>
まず、モラトリアム(moratorium)の本来の意味は、
・「停止」「一時禁止」
・「支払い延期」「支払猶予期間」
です。
支払いについては借金などの支払猶予のことです。
この意味から転じて、
「果たすべきことをやらず延期している状態」
「肉体的には大人ではあるが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間」
という意味で使われています。
心理学用語的な言葉です。
日本では、1978年初版の「モラトリアム人間の時代」という本の影響で、
社会的には大人の年齢に達しているのに、
大人になりたくない気分でいる若者のことや、
大人になるための心理的な葛藤や乗り越えなくてはいけないことを
先延ばしにしている人、その状態のことを意味する言葉として定着しました。
例えば大学を出てもやりたい事が定まらず、
ふらふらといろんな事に手を出している状態も、モラトリアムと言えそうです。
本来はラテン語の「遅延」を意味する言葉です。
本来行うべきことが遅延しているという意味で考えると理解できます。
時代が悪い、政治が悪い、不満ばかりを耳にしますが、
時代は個人の集合体。一人一人の行動の結果でしかない。
自分が変わるしかない!と前向きに行きたいものです。
<モラトリアムの使い方>
・親父に、モラトリアムを気取るのもいいかげんにしろと怒られたよ。
・この本を読んでモラトリアムを脱しようと決心した。
・大学生でいるうちは、思う存分モラトリアムを楽しむよ。
以上、モラトリアムの意味とはでした。
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